ワールドカップ・クロアチア戦[ジーコジャパン]
2006-06-21/Permalink
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4−4−2へのシステム変更が功を奏したか、是が非でも勝たなければならないという状況が選手を攻撃的にさせたのか、または前半に攻撃を控えたクロアチアの出方のおかげか、日本はオーストラリア戦からは見違えるような積極的なサッカーを見せてくれました。
しかし放たれるのはミドルシュートやロングシュートのみ。相手ゴール前に行けません。足りないのは「ボールを運ぶ力」と「相手陣内でのスピードアップ」の2つです。選手の力が足りないとは思いません。足りないのは戦術であり、それはチームを束ねる監督の力量の不足とも言います。
日本代表というチームはどのようにして攻めようとしているのか。言い換えればどのように人とボールを相手ゴール前に送り込もうとしているのか。例えばオランダであれば3トップの両ウイングを高い位置に張らせて、そして彼らのドリブルが後方の攻め上がりの時間(タメ)とゴール前でのチャンスを作ります。イングランドのように大型FWのポストプレーをスピードアップの起点とするチームも多くあります。しかし日本はどの形にも当てはまらず、かと言って新しい形を提示するわけでもありません。
トルシエ監督の頃は、FWのポストプレー→MFのサポート→サイドへの展開→オーバーラップ、という一連のボールを運ぶプロセスがありました。機械的、などの批判もありましたが、これはチームとして最低限作っておくべき形。自由の名のもとにそれすら放棄したジーコのチームにワールドカップを戦う力が無いのは当然です。多少の守備力と個人の発想だけではこの舞台では点は取れません。
この試合の詳細について触れる必要はないと思います。一つ一つのプレーや采配以前の部分が「やはり」問題だったのですから。
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スタメン変更願いです[ジーコジャパン]
2006-06-16/Permalink
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ワールドカップはあと2戦残っています。ジーコ采配についてとやかく言うのは、何をいまさら、というものです。しかもオーストラリア戦敗戦は監督采配のみに原因があるわけではなく、一部の戦っていない選手にも原因はあります(協会・マスコミ・サポーターの責任・・・というのは話がデカすぎるので割愛)。
さて、以上を踏まえた上で、クロアチア戦に向けて日本代表チームは何かを変えるべきか?というテーマで今日は書きたいと思うのですが、結論から申し上げれば「変えるべき」です。守ってカウンターという戦い方を選択した以上は、それに沿ったいくつかのメンバーチェンジが必要だと思うのです。
まず1つ目の変更点はFWの人選。1トップにするにせよ2トップにするにせよ、長身FW巻のスタメン起用は絶対に必要でしょう。明確なターゲットがいることで、奪ってからのタテへのボールが早く入るようになるでしょうし、サイドからのクロスも「狙いすぎて誰の頭にも当たらない」ということはなくなるでしょう。
出来れば1トップの下にこぼれを拾う2人のMFを置きたいところです。小笠原と中田英という組み合わせでどうでしょうか。中田英を1列上げることで、ボランチには「本職」を2人置く事が出来ます。福西と遠藤の組み合わせになるでしょうか。
まあここは妄想の世界ですから何とでも言えるのですよね。クロアチア戦までにチームがどういう修正をするのか、注目したいところです。
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ワールドカップ・オーストラリア戦[ジーコジャパン]
2006-06-13/Permalink
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非常にラッキーな先取点でした。審判の判定に問題があったわけではありません。ラッキーだったのは相手GKシュワルツァーに判断ミスがあったことです。しかし、前半に奪ったこのラッキーな得点のあと、日本チームからは得点はおろか、可能性を感じるシーンすらありませんでした。
確かに、同点にされるまではカウンターでチャンスを作っていました。しかし日本のFWは観ている側の予想通りにシュートチャンスでパスを出し、日本のサイドアタッカーは味方FWどころか相手DFも触れない方角にクロスボールを蹴る。国際舞台での自信の無さが、テレビ画面からでも大いに感じられる攻撃でした。
2点目を日本が取っていれば、3点をブチ込まれての大逆転劇は起こらなかったかもしれません。しかし日本の攻撃の選手からは、他国のFWのような強引さがなく、サイドアタッカーからは例えば1点目の中村のクロスのような「競り合った後のセカンドボール勝負」というような意図が感じられません。あまりにもキレイにやろうとしすぎるところが、日本の決定力不足の背景の一つなのでしょう。
4年前とは比べ物にならないほどにズリ下がった守備陣からも、苦しい精神状態であることは感じられました。同点にされたあとの守備の選手の表情は、「勝ち越しゴールはほぼ望めない。なんとかドローのまま逃げ切ろう。」と言っているように、私には感じられました。
守備で良くなかった部分は日本の特徴であるべきはずの「組織的守備」。前線やトップ下の選手から効果的なチェイシングがかかっている場面は皆無。またその影響か、ボランチであるはずの中田英がボランチのポジションを取っていない場面が多いため、サイドチェンジを混ぜられて守備陣形を広げられると中盤の底は福西一人では埋められず、ブレッシアーノやケイヒルにそのスペースを使われました。
ベンチの采配についてはあまり言うことはありません。ヒディンク監督のほうが一枚、いや二枚も三枚も上手だったというだけのこと、という評価です。問題はそれ以前の準備段階にあると思います。ここまで挙げてきた「決定力不足」「守備の組織力不足」「ベンチの経験の無さ」などなど、今日の敗因として思い当たるものは、だいたい事前に疑問視されてきたはずのものです。しかし、本大会までに何かが修正されたということはなく、結果として「絶対に1勝」と言われていた試合を1−3で落としました。
これに関しては、マスメディアの責任も大だと思います。テレビはまあ仕方ないとしても、雑誌において記者やライターや評論家が、あらゆる持てるボキャブラリーを駆使してジーコジャパンを褒め称える(特にひどかったのは「Number」)、というのはどうなのか。世論が「ジーコジャパン万歳」で批判精神もなく形成されてしまったことは残念です。
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マルタ戦を終えて[ジーコジャパン]
2006-06-05/Permalink
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後半の4バックはオプションの確認、さらに1トップにする采配は選手を出すための交代、という感じでしたね。1−0という結果はあまり気にしなくてもよいのではないかと思います。本番の主戦システムになりそうな3−5−2を採用した前半で1−0、というのは評価していいのではないでしょうか。
これは後半に感じたことですが、小野と小笠原を両方ともベンチに置くという方針は、やはりもったいない。その他にも稲本や遠藤もベンチに控えているわけで、こうした名手を多く使っていくためにジーコは呼ばれたのではなかったのか?という疑問は自分の中に残ったままです。4−4−2や3−6−1への取り組みが中途半端に終わり、中盤のタレントを生かしたパスサッカーというテーマも消化しきれないまま、日本代表は本番を迎えるのでしょう。
ワールドカップを前に、雑誌や新聞では日本代表がたくさん取り上げられています。記者や評論家やサッカー協会の手によって、トルシエ時代を悪とし、ジーコを是とする流れが作られているような気がしますが、果たしてそうなのでしょうか。ラインの押し上げによりコンパクトな布陣を作り、5枚の中盤に多くのタレントを配することで日本の中盤の力を生かそうとしたのはトルシエ前監督の方ではなかったのか?
大会直前に、スカウティングが進んできた段階で、主戦システムを4バックから3バックに変更したことも気になるところです。要は相手の強さがわかってきたところで守備を固めることにしたわけです。世間では4バックと3バックの使い分けが出来ている、という評価になっていますが、3バックの一角を下げて中盤を入れる、というやり方で3バックと4バックを使い分けるチームが世界のどこにあるのか。ジーコ就任時からの4バックへのこだわりを考えれば、彼はあまりに世界を知らないままチーム作りをしてきた、としか言いようが無い。だいたい、経験のある指導者ならば、就任時から3バックでチームを作ることでしょう。
このままでは、日本の「らしさ」をあまり見せられないまま、善戦だが3連敗という8年前と同じ結末を迎えるような気がしてなりません。FW5人招集、3−5−2システムの採用と、私の訴えとは違う方向にチーム作りは進みました。ジーコ監督は「いま勝つこと」だけに集中していますが、2006年7月以降の日本代表のことや、日本サッカーを世界に発信する、といったことは頭の片隅にもなさそうです。これは人によって考え方は違うでしょうが、「ただ勝てばいいのか?」というのは、この4年間日本代表を見てきて、常に抱いていた私の疑問です。
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ちょっと気が早いですが・2[ジーコジャパン]
2006-05-16/Permalink
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ワールドカップメンバーが発表されました。23名をポジション別に分けてみると・・・、
GK・・・川口、楢崎、土肥
右SB・・・加地、駒野
CB・・・宮本、中澤、田中、坪井
左SB・・・三都主、中田浩二
ボランチ・・・福西、遠藤、稲本、小野
攻撃的MF・・・中村、中田英寿、小笠原
FW・・・高原、柳沢、大黒、玉田、巻
という具合になるでしょうか。松井はどうした?とか、阿部はどうした?とか、やっぱ柳沢を選ぶのか!などなど、様々な疑問点はあるかと思いますが、一点だけ、久保を選ばなかったことについては、(久保本人はつらいと思いますが)ジーコ監督の人選は評価したいと思います。その調子で、コンディション不良や調子が上がっていない選手はどんどん外していけば、私はもっとジーコ監督を見直すことになったのでしょうが、さすがに高原や柳沢や稲本を外すまでには至りませんでした。
さて、メンバーを見れば一目瞭然ですが、システムは4−4−2でしょう。早くも私が前回のエントリーで書いた3−6−1説はなくなりそうですが、それならば4−4−2でスタメン11人を選ぶ際に重要視するべきと思うことをいくつか挙げてみたいと思います。
まずダブルボランチですが、攻撃時に両サイドバックのポジションを高く保つためにも、カバーリングなどの守備意識の高い選手を起用したいところです。福西は当確として、もう一枚は遠藤か中田浩二が適任でしょう。小野や中田英では実質1ボランチのような体制になりますから、センターバックが3枚ならばともかく、2枚しかいないシステムではおそらく守りきれないでしょう。
そして2トップですが、ポストプレー、スペースメーク、高い位置からのチェイシングの3点が出来る人材を据えたいところです。トルシエジャパンと選考基準としては同じですが、日本でもっともタレント力の高いMFたちの攻撃力を最大限に発揮させるため、2トップにはある程度「つぶれ役」に徹してもらうような戦術イメージでいくべきと思います。柳沢がもっとも適任ですが、彼のコンディション次第では巻や大黒をスタメン起用するのもいいと思います。
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ちょっと気が早いですが[ジーコジャパン]
2006-05-12/Permalink
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J1リーグも中断し、いよいよ日本サッカーがワールドカップモードに入ってまいりました。15日にはワールドカップメンバー23人も発表になりますが、23人のうち20人くらいはもうバレバレですので、今日はおおやしさんの考える「ワールドカップはこう戦うべし」についてです。
ジーコ監督のスタンスは「相手はどこでも自分たちのサッカーを」という点です。これはトルシエ監督も同じでしたね。ですから、相手が2トップのブラジルだから3バックにするとか、3トップのオーストラリアに対して4バックにする、というような手は打たないでしょう。
以前から述べていることの繰り返しになりますが、システムは3バックを基本とし、4バックは点をとりに行くときのオプションとするべきです。改めてその根拠を挙げていきますと、まず4バックではほとんど結果を残していない点が第一です。アジアカップやアジア最終予選、ヨーロッパと互角以上に渡り合った親善試合(イングランド戦やチェコ戦)はいずれも3バック。逆に4バックでは、アジア最終予選のイラン戦、コンフェデレーションズカップなど、勝ち点3が取れていないゲームが多い。
選手層を見ても3バックシステムのほうが妥当と感じます。絶対的なレギュラーであるキャプテン宮本の体格的な問題、そして左サイドに入る三都主の守備の拙さを考えれば3−5−2システムで宮本を最後尾に余らせ、三都主を最終ラインより前に出すほうが現実的な考えです。
よく「日本のサッカーを」という意見があります(週刊サッカーダイジェストなど)。それらの意見の多くはコンフェデあたりの試合を高く評価し(だいたい、コンフェデのことなど覚えていない人は私も含めて多いとおもうんですが・・・)、4−4−2システムで技術系MFを増やしてポゼッションで勝負、という論調になりますが、それ以前に守備が安定しなければ日本のサッカーを見せる前にすべてが終わってしまいます。
次に中盤よりも前の話になりますが、ジーコジャパンの定番でもある2枚ボランチは確定として、MFの得点が多い日本の現状を考えれば、前線の形は1トップ2トップ下がベストでしょう。中田英、中村、小笠原、小野、松井らをトップ下として、1トップはポストプレーの出来る高原、久保、柳沢の中から(巻や鈴木が選ばれればもちろん彼らも候補)コンディションのもっともいい選手を使いたいところです。
さて、システムは3−6−1と勝手に決めてしまったところで、次回はメンバーについて考えていきます。
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日本−インド[ジーコジャパン]
2006-02-24/Permalink
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インドが下がり、中盤のチェックも厳しくない中、日本の圧倒的なボール支配が続きました。クサビのパスも入り、そこからのスピードアップで中央を崩しにかかる場面もありました。しかし、ワールドカップに向けての強化という視点から見れば、この試合の良かったところをそのまま「良かった」と評価することはできません。インドの実力を考えれば、出来なかった部分に目を向けることが必要でしょう。
例えばポストプレーからの展開。ボールは確かにFWに入りますが、そこからは強引に前を向こうとする場面が多く、パスの展開先も中央に集まる傾向にありました。MFに落としてサイドを深くえぐる、というような場面はなく、サイドにつないだとしても足元へのパスばかり。フィンランド戦のようにオープンスペースを使うようなパスが出ませんでした。
これは、4−4−2システムを採用したことも影響しているでしょう。両サイドが最終ラインから飛び出すことになるため、3−5−2のときよりもサイドのスペースに出て行くのに時間がかかります。そのため、サイドを走らせて全体がスピードアップ、という日本の数少ない確立された攻めパターンを出せなかったのではないかと思います。
そしてDFのミスの多さ。再三ここでも指摘していることですが、コンビや意思疎通の問題ではなく、単に技術的な問題なのではないでしょうか。トルシエ監督のときとは違い、攻撃的な能力はDF(センターバック)に関しては選考基準に含まれてはいないように感じるので、いまさらこれを云々しても仕方が無いのですが、後方のパス回しが安定しないパスサッカーというのはどうなのでしょう。
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日本−フィンランド[ジーコジャパン]
2006-02-22/Permalink
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フィンランド戦ですが、最初に書いたものを誤って消してしまったので、ちょっと簡単にいきたいと思います。
○日本の攻撃
2トップに戻して、攻撃は良くなったと思います。起点が増えることで中盤が前を向いてプレーすることが出来ていました。2トップ自身も、1トップ時のように中央に張っている必要が無く、自由に自分を表現している印象です。もちろん、時間をかければ1トップでも同じようなことは出来るのでしょうが、トルシエ時代どころか、そのもっと前から2トップでしか日本代表は戦ってきていないわけで、いまさら1トップ系のシステムを熟成させるには年単位の時間が必要です。
気になった点は2つ。フィンランドは守備陣の高さという点では仮想オーストラリアであり、仮想クロアチアでもありますが、それに対して日本の命綱ともいえるセットプレーに大したバリエーションが見られなかったことがまず1点です。結局はキッカーのボールの質と中澤あたりの高さに頼っているわけで、そこにバリエーションの豊富さや創造性や意外性というものが感じられませんでした。
そしてもう1点はDFの攻撃能力。相手の足が止まった後半こそ、中澤が起点となっていたり、ストッパーがオーバーラップしていたりしましたが、少しでもプレッシャーがかかってくるとDFは起点になれず、パスミスが増えてしまいます。ルックアップの時間が長く、相手に寄せられてドリブルで抜きにかかるような危険なプレーもありました。
○日本の守備
アメリカ戦では散々サイドに起点を作られて、好きなようにサイドを制圧されていました。アメリカ戦後のエントリーでも述べましたが、サイドの裏側をケアする動きや約束事が無いため、アウトサイドがサイドの高い位置から追い込むことが出来ず、また、裏側に走りこんでくる選手にはとにかく下がってマークについていくしかないため、中盤でもプレスに参加できません。この構造上の欠陥は、フィンランド戦でも修正されておらず、今後もサイドで1対2を作られて攻め込まれる図は続くことでしょう。
総評としては、相手がコンディション不良で、なおかつ2軍のような構成ということで、2−0という結果はともかく、内容としては物足りなさが残ります。もっと点は取れなかったのでしょうか。中盤のパスでFWとサイドが裏を狙うというパターンしかありませんでしたが、サイドチェンジやミドルシュートを混ぜて相手を揺さぶるような狙いは無いのでしょうか。アジアで結果を出すことという卑小な目標のみに執着した末に、世界では到底戦えないようなチームが出来上がった、ように見えますが・・・。
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日本−アメリカ[ジーコジャパン]
2006-02-15/Permalink
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○試合展開
日本は久保をワントップとする3−6−1システム、アメリカは4−4−2で試合開始。立ち上がりはプレッシングでボールを奪取してからのリズムの良い攻撃で日本が攻めたものの、アメリカが持ち味の速いプレスと、シンプルかつ徹底されたサイドアタックで即座にペースを奪い返します。そしてポープとデンプシーのゴールでアメリカが2点をリードして前半終了。立ち上がりの5分以外は完全にアメリカにゲームを掌握されていました。
後半は巻と佐藤寿人を入れて3−5−2にシステム変更。しかし後半開始早々にトウェルマンのゴールで0−3と突き放されます。日本はさらに阿部と長谷部を投入して、システムを4−4−2に代えます。この頃からアメリカはようやく運動量が落ち、日本のパスがつながりはじめます。日本は加地のクロスに巻がヘッドで合わせて1−3とし、さらに終了間際に中澤が足で決めて1点差としますが、反撃もここまで。
○日本の問題点1・プレスがないため簡単に押し込まれる
アメリカのプレスと徹底したサイドアタックの前に、日本は両サイドも含めてズルズル後退する一方。ボランチやCBがボールをキープできず、久保への放り込みが増え、ダブル司令塔にもなかなかボールが行き渡りません。しかし立ち上がりは逆に日本の出足がよく、アメリカゴールに迫っていました。
ここでは前半の3−6−1システムに限定して話を進めますが、ポイントは2つあると思います。一つは1トップ2シャドーのチェイシング、もう一つはアウトサイドの位置取りです。1トップ2シャドーのほうですが、この3人がバラバラに相手を追っている時点で「戦術負け」です。3人が近い距離を保ちながら、そして2シャドーがある程度タテの関係を構築しながら、相手の2枚のセンターバックとボランチにプレスをかけていき、高い位置でのボール奪取や、相手をサイドに寄せて後方で囲い込ませるなど、的を絞った守備を行っていくことが必要だったのではないかと思います。
そしてアウトサイドについてですが、相手の両サイドに引っ張られるように下がっていました。そのため相手のサイドバックはフリーで起点となり、再三アーリークロスを放り込んできました。日本はサイドを1枚で構成していますが、後方はストッパーかボランチに任せて、アウトサイドは高い位置を取ってプレスに行くことが必要ではないかと思います。実際にそれが出来ている時間帯もあり、それが日本ペースにつながっていたわけで、チームとしての共通理解を作っていってほしいと思います。
○日本の問題点2・サイド守備が薄い
先ほどのアウトサイドのプレスの話に関連していることですが、数え切れないほどのクロスを入れられた理由は、守備時にあまりにもアウトサイドを1枚にしすぎたことにあると思います。サイドバックが攻撃参加してきた場合、簡単に1対2を作られ、アーリークロスやハイクロスを上げられました。ボランチやストッパーとの連携を詰めていく必要がありますし、このままではチェイシングが向上しても、サイドに寄せてのプレッシングが出来ません。クロスを浴びまくってついに決壊したのがアメリカの1点目、クリアを重ねての度重なるコーナーキックでさらに決壊したのがアメリカの3点目でした。さらに言えば、たっぷりサイド攻撃を見せられた後に、中央のダイレクトのパス交換でDFラインを破られたのが2点目。前線とサイドの守備の早急な改善が求められます。
○日本の問題点3・そもそも1トップ2司令塔では点が取れない
1トップの下に陣取る小野も小笠原も、ボールを受けて回りを走らせるばかり。となると、1トップの飛び出しか、両サイドが長躯して駆け上がるか、たまにボランチが飛び出すかしないと、セットプレー以外では点が取れません。だいたい、チームで2番目にゴールに近い位置にいる選手が、相手ペナルティエリア内でのシュートチャンスにヒールパスを出す(結果はパスミス)とはどういうことでしょうか。1トップ2司令塔では、あまりにも得点の可能性を感じません。
予想以上に日本は弱かった、というのがこの試合を見ての印象です。コンディションが良くなればもっとやれるのかもしれませんし、試合を重ねれば組織的な部分も煮詰まってくるのかもしれません。だからと言って、今週号のサッカーダイジェストのように「悲観する必要はない」と言ってしまうのは楽観的過ぎる。未だに主戦システムが決まらず、得点へ至るパターン(アメリカで言うとサイドアタック)が見えてこない状況では、3戦全敗すらあり得る状況です。
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グループFは厳しいですが[ジーコジャパン]
2005-12-13/Permalink
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2006年のドイツワールドカップ・グループリーグの対戦相手も、ブラジル、クロアチア、オーストラリアに決まり、急にワールドカップ本大会というものが近づいてきたような気がします。そして対戦相手が決まったことで、日本代表の立ち位置や、どのように戦うべきかというのが少しずつ見えてきたのではないかと思います。
比較的楽、とよく言われるグループFですが、私は厳しいグループに入ったと思います。私はあえて厳しい見方をしています。それは98年ワールドカップのことを忘れていないからです。一見、頑張れば2位以内に入れそうなグループに入ったのはあの時と同じです。しかし98年は3戦全敗でした。
ということで気を引き締めて考えなければいけないのですが、ではこの3チームを相手にするに当たって、日本はあと6ヶ月でどのような準備をするべきなのでしょうか。来年のスケジュールはまだ確定していない部分も多いのですが、準備試合は多くて10試合程度でしょう。試合数、そしてジーコ監督のチーム作りの手法を考えれば、本質的な変化は不可能です。今まで積み上げてきた戦い方と選手層でどうするかを考えるべきです。
となれば、バックラインは3バック以外に考えられません。DFラインの軸は宮本と中澤ですが、特に宮本のプレースタイルを考えれば、彼がカバーリングとラインコントロールに専念できる3バックがベスト。左サイド(三都主)の穴を目立たせることなく、また宮本がラインコントロールをやりやすいように出来ればDFラインを押し上げて布陣をコンパクトに出来ます。ビドゥカ(オーストラリア)、プルソ(クロアチア)、ロナウドとアドリアーノ(ブラジル)という強力FWを抑えるためには宮本のほかにストッパーを2枚配するほうがいいでしょう。
そして日本の特徴である中盤のボール回しを見せるためには、中盤は福西・小野・中田英・中村の4枚を使いたいところです。必然的にFWは1トップとなり、システムは3−6−1となります。4−4−2は攻撃的に出る際のオプションとするべきでしょう。3バックから4バックへの移行は、ジーコジャパンが積み上げてきたものの一つですから。
私は、上記のような戦い方を本大会で実践できれば、オーストラリア、クロアチアに1−0くらいのスコアで2連勝して、ブラジル戦を消化試合にすることも可能だと思います。もちろんFWのシュート精度向上、MFの得点力アップ、高い位置でのプレッシングの実践など、チームとしてクリアしなければいけない課題は多いのですが。
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